プレシーズンマッチの動向
セビージャFCはこれまでのプレシーズンで3試合を消化しており、今夜21時からはエスタディオ・ヘスス・ナバスにて無観客でADセウタ(昨季のサプライズチーム)との第4戦に臨む。これまでの結果は、初戦のフベントゥ・トレモリーノス戦はミゲル・シエラのPKによる1得点で勝利、続くポーランドでのKSクラコヴィア戦は0-1で敗戦。そして木曜日の第3戦では、1部チームとしてコルドバCFと「プエルタス・デ・コルドバ杯」を戦い、スコアレスドローの末にPK戦で勝利しトロフィーを掲げた。
コルドバ戦でのルイス・ガルシア・プラサ監督は、トップチームの選手がマヌ・ブエノのみというカンテラーノ主体の布陣で挑んだ。この試合では、本来右サイドバックのフアン・イグレシアスが急遽左センターバックに入り、新戦力のアルナ・サンガンテとコンビを組むスクランブル体制が敷かれた。今夜のセウタ戦は開幕スタメン(8月15日のラージョ・バジェカーノ戦)を見据えた、より本格的なテストの場となる。監督は起用プランについて、『来週の試合のうち1つでは各グループに45分間プレーさせ、もう1つの試合ではトップチームの選手たちに70分か75分プレーさせるというプランだ。それが私たちが辿るべきプロセスだ。Bチームの選手たちがどの試合でプレーするかはこれから決めるが、75分プレーしなければならない選手たちをもうひとつの試合にも出場させることはできない。筋肉系の怪我のリスクがあるからね』と語っている。なお、この試合の模様はSevilla FC+で放送される。
チームは7月30日(木)から8月7日までオランダで合宿を行い、7月31日にNECナイメヘン、8月2日にユトレヒトと対戦し、その後ドイツへ移動して8月8日にバイ・アレーナでバイエル・レバークーゼンと対戦する予定だ。
(via SPORT, ElDesmarque, Estadio Deportivo)
ストライカーの人員整理と補強
プレシーズン3試合でPKによる1得点のみと、チームの得点力不足が浮き彫りになる中、ホセ・イグナシオ・ナバーロSDはストライカーの補強を急いでいる。アレクシス・サンチェスとニール・モペイが退団し、さらにアコル・アダムスのセリエA昇格組ヴェネツィアへの売却が決定したことで、現在ルイス・ガルシア・プラサ監督が計算できる純粋なフォワードはイサック・ロメロのみとなっている。
アダムスの売却は、固定額1680万ユーロにヴェネツィアのチャンピオンズリーグ出場などのボーナスが加われば最大2300万ユーロに達する好条件でまとめられた。これはベン・イェデル(4000万)、バッカ(3330万)、ガメイロ(3200万)、ネグレド(2500万)、ムリエル(2120万)、エン=ネシリ(1950万)に次ぐ、クラブ歴代7位(ボーナス込みなら5位)のストライカー売却額となる。
監督は理論上のスタメン候補と、ロメロとポジションを争う選手の計2名のFW獲得を求めている。そのターゲットとして名前が挙がっているのが、SCブラガのスペイン人FWフラン・ナバーロ(28歳)だ。昨季は国内と欧州の大会で2521分プレーし12ゴールを記録した実力者であり、現在の市場価値は400万ユーロ(かつてジル・ヴィセンテ時代には1200万ユーロまで上昇し、FCポルトへ700万ユーロで移籍、その後ブラガが270万ユーロで買い取った経緯がある)とされている。クラブは状況を探っている段階で正式なオファーには至っていないが、ナバーロは2029年まで契約を残しており、ブラガは買い取りオプション付きのレンタル移籍には応じない強硬な姿勢を見せているため、交渉は難航が予想される。
(via Estadio Deportivo, ElDesmarque)
W杯組の合流と市場価値の変動
W杯準々決勝のアルゼンチン戦で、エンボロの物議を醸す退場もあり1-3で惜しくも敗退したスイス代表のルベン・バルガスとジブリル・ソウ。両選手は現在バカンスの最終日を過ごしており、オランダ合宿からチームに合流する予定だ。
特にW杯6試合で2ゴール1アシストの活躍を見せたルベン・バルガスは、市場価値が大会前の1200万ユーロから1500万ユーロへと25%も跳ね上がり、ルシアン・アグメと並び、キケ・サラス(1400万)を抜いてチーム最高額の選手となった。昨季は怪我の影響もあり25試合で3ゴール6アシストにとどまり、トルコのトラブゾンスポルからの関心も怪我の履歴を理由にトーンダウンしていたが、W杯での活躍によりブライトン、アストン・ヴィラ、ウェストハムといったプレミアリーグ勢からの注目を再び集めている。本人は『いつかチャンピオンズリーグでプレーしたい』と語っており、欧州カップ戦に出場できるクラブへの移籍を望んでいる。セビージャは2000万ユーロでの売却を目標としているが、昨夏はビジャレアルからの1500万ユーロのオファーを、ルケバキオ退団直後で代役確保の時間がなかったために拒否した経緯がある。今回は両サイドのウインガー補強が必要な状況下で、クラブがどう立ち回るかが注目される。
一方、同じくスイス代表のジブリル・ソウについては市場価値750万ユーロから変動はないものの、複数クラブから獲得条件の問い合わせが届いており、正式なオファーが届けばクラブは検討する構えだ。昨季はクラブの選手登録を助けるために契約の見直しを受け入れた経緯がある。
(via MARCA, Estadio Deportivo)
ゴールキーパー陣の再編
契約満了を迎えたエーリャン・ニーランが退団し、今季はオディッセアス・ヴラホディモスが正GKを務めることが確実視されている。ニューカッスルからの2年間のレンタルが今季で終了するヴラホディモス(32歳)の将来を見据え、クラブは水面下で若手GKの確保に動いた。
プエルタス・デ・コルドバ杯でクリスティアン・カラセドのPKをストップし、無失点に貢献したカンテラ出身のアルベルト・フローレス(22歳)は、試合後に自身のSNSで『すべての機会を楽しんでいる。初日と同じモチベーションで』とアピールした。ホセ・イグナシオ・ナバーロSDもヨン・グリディ、サンガンテ、フアン・イグレシアスの入団会見の際に『今のところ彼は我々を助けてくれているが、彼の要求(出場時間など)にドアを閉ざすつもりはない』と語っていた。しかし、クラブはレアル・マドリード・カスティージャに所属するU-21スペイン代表GKフラン・ゴンサレス(21歳)の獲得で合意に達した。フリオ・ディアスのレバンテ移籍を直前で阻止して4年契約を結んだ際と同じく、マドリード側に大きな保有権を残す形での移籍となる見込みだ。
この補強により、第3GKの立ち位置に押し出されるフローレスについては、セビージャ・アトレティコでのプレー(昨季25試合出場)では物足りない年齢となっているため、2027年までの契約を延長した上でセグンダ・ディビシオン(2部)のクラブへのレンタル移籍、あるいは完全移籍でクラブを離れる可能性が高まっている。
(via ElDesmarque, Estadio Deportivo)
ディフェンス陣の回復と放出候補の動向
プレシーズン序盤に野戦病院と化していたディフェンス陣に、ようやく光が差し込んできた。大腿四頭筋の軽い違和感でコルドバ戦を欠場していたキケ・サラスが全体練習に復帰。また、同じく大腿四頭筋の浮腫を抱えていたマルカオや、恥骨炎で離脱していたアンドレス・カストリンもグループ練習に合流し、セウタ戦での起用が可能となる見通しだ。ここまで出番のあったカンテラーノのマリオ・ディアスとイケル・ムニョスもCBとして出場し、好印象を残している。
一方で、人員整理も着々と進行中だ。タンギ・ニアンズのリール移籍が決定し、ネマニャ・グデリは契約満了で退団。ファビオ・カルドソとフェデ・ガットーニは構想外として退団を待つ状況にある。
その他のポジションでも、ラファ・ミル、ジョアン・ジョルダン、アドリア・ペドロサが構想外として個別調整を続けており、アドナン・ヤヌザイの退団も決定済み。残り契約1年のチデラ・エジュケも400万から500万ユーロでの売却を目指して出口を探している。また、負傷中でプレシーズン序盤を欠場しているアルフォン・ゴンサレスには、セルタ復帰の噂が浮上している。なお、フアンルも現在負傷中である。
(via Estadio Deportivo, ElDesmarque)
【本日の総括】
プレシーズンマッチで若手主体ながら結果を残しつつ、開幕に向けたスタメンの選定と並行して、ストライカーの補強やGKの世代交代、余剰戦力の整理といったフロントの動きが加速している。