エディン・テルジッチ新監督の就任経緯とバルベルデ退任の裏側
ジョン・ウリアルテ会長とミケル・ゴンサレスSDが会見を開き、エルネスト・バルベルデ前監督の退任とエディン・テルジッチ新監督の招聘について詳細な経緯を語った。
ミケル・ゴンサレスSDは常に監督のスカウティングを行っており、昨シーズンにテルジッチ氏が参加した会議へ足を運び、話し方や振る舞いを確認した上で直接関係を築いてきた。その後、アスレティックがチャンピオンズリーグでドルトムントと対戦するためにドイツを訪れた際、クラブの幹部陣がテルジッチ氏の自宅を訪問し、親交を深めていた。
さらに後日、マドリードでウリアルテ会長とCEOがテルジッチ氏と1日半にわたって会談を実施。会長は『我々全員が受けた印象はすさまじいものであり、その時に彼こそがアスレティックを指揮するのにふさわしい人物だと決断した。彼の方からも、一目惚れのような形でアスレティックの監督になることへの驚くべき関心を示してくれた。彼は我々が世界で唯一無二のクラブであることを理解し、その一部になりたいと望んでくれた。チャンピオンズリーグ出場クラブからの重要なオファーを断ってくれたことからも、彼のコミットメントは明らかだ』と絶賛している。
バルベルデ前監督の退任については、25-26シーズンに成績が低迷した際にもクラブは解任を準備していたが、最終的に踏みとどまった。ウリアルテ会長はその理由として、①バルベルデが経験を活かしてチームを立て直す能力を持っていると信じたこと、②モチベーションとエネルギーがあったこと、③誰よりもスカッドを熟知していたこと、④ロッカールームとコーチングスタッフの間に団結があったこと、の4点を挙げている。『エルネストは常に結果がすべてだと言っている。監督交代が成功の保証にはならないため、彼に賭ける決断をした』と明かした。しかし、最終的にシーズン終了後の双方の協議により、クラブ側は継続しない方針を固め、バルベルデ側も継続を望まなかったため、テルジッチ氏へのバトンタッチが決定した。(via ElDesmarque / Mundo Deportivo)
テルジッチ新体制が直面する39人のスカッド整理と新ルールの壁
エディン・テルジッチ新監督は、早くも来季に向けた巨大なパズルの組み立てを迫られている。現在、アスレティックのトップチーム候補となる選手は、ローン復帰組やビルバオ・アスレティックからの昇格組を含めてなんと39名にも上る。
具体的なリストは以下の通り。
GK:ウナイ・シモン、アレックス・パディージャ
DF:ダニ・ビビアン、アイメリク・ラポルテ、アイトール・パレデス、ジェライ・アルバレス、ウナイ・エギルス、アダマ・ボイロ、ユーリ・ベルチチェ、ヘスス・アレソ、アンドニ・ゴロサベル
MF:ミケル・ベスガ、ミケル・ハウレギサル、ベニャト・プラドス、アレハンドロ・レゴ、セルトン・サンチェス、イニゴ・ルイス・デ・ガラレタ、オイアン・サンセ、ウナイ・ゴメス
FW:ニコ・ウィリアムス、アレックス・ベレンゲル、ニコ・セラノ、イニャキ・ウィリアムス、ロベルト・ナバロ、ゴルカ・グルセタ、マロアン・サンナディ、ウルコ・イセタ
これに加え、ローン復帰組としてベニャト・ヘレナバレナ、フレン・アギレサバラ、アルバロ・ジャロ、ウゴ・リンコン、ペイオ・カナレス、ウナイ・ベンセドールが控える。さらに、フィリアルからはイケル・モンレアル、エデル・ガルシア、イケル・バレラ、イボン・サンチェス、アシエル・イエロ、イバイ・サンスが昇格を狙う。
特にユーリ・ベルチチェとアレハンドロ・レゴの契約延長問題は急務となっている。また、クラブの悩みの種となっているのが、選手のローン移籍に関する新ルールの導入だ。アスレティックは伝統的に多くの若手を他クラブに武者修行に出して育成する計画を持っているが、この新ルールによって大幅な方針転換を余儀なくされる可能性がある。
ミケル・ゴンサレスSDは『エディンはすでにトップチーム、ビルバオ・アスレティック、バスコニア、ローン組、そして市場のオプションについて長期間働き、理解を深めている。彼は目にしているものを気に入っている。我々は彼に最高のツールを提供し、出場機会のない選手にスペースを与えるための大きな課題を抱えた市場に直面している。彼とは手を取り合って進めていく』と説明した。
ジョン・ウリアルテ会長も補強について『常にアスレティックの市場を分析している。我々の市場は狭く、コントロールしやすい。スポーツ面で現在のスカッドのレベルを引き上げ、かつ経済的にクラブが許容できるオファーがあれば、当然オープンに対応する』と語り、補強の可能性を排除していない。(via ElDesmarque)
ニコ・ウィリアムスの負傷状況とクラブの医療体制における深い反省
ニコ・ウィリアムスの度重なる負傷について、ミケル・ゴンサレスSDが赤裸々に現状とクラブの反省を語った。
5月10日に左脚のハムストリングを負傷したニコは、レサマで調整を続けた後にスペイン代表の合宿へ合流。アスレティックの医療サービスとスペインサッカー連盟の医療サービスは極めて高いレベルで連携しており、クラブにはほぼ毎日彼の状態に関するレポートが届いている。W杯終了後も、エリートの厳しい要求に耐えられる身体を維持するための治療をビルバオで継続する予定だ。
ミケル・ゴンサレスSDは『ニコは数シーズンにわたって完全なプレシーズンを過ごせていない。アスレティックでの要求は極めて高く、常に代表にも呼ばれている。彼のプレースタイルは非常に爆発的で、身体を限界まで追い込むものだ。彼は才能で生きている選手だが、爆発力でも生きている。最高のニコを再び見られるようにするのは我々の責任であり、大きな挑戦だ』と危機感を強めている。
さらに、2月に発症して1ヶ月半の離脱を余儀なくされた恥骨炎についても言及。『ニコを休ませてより保守的な治療を行うことよりも、彼の試合出場を優先してしまったのは我々の間違いだったと思う。最初の治療では、週末の試合で彼のベストなバージョンを引き出すことができなかった』と、起用を急がせたクラブの判断ミスを率直に認めた。4月上旬に復帰した際は良い状態を示し、ゴールやプレーでインパクトを与えていたが、バレンシア戦で再び筋肉の負傷を抱えることになってしまった。(via ElDesmarque)
注目の若手選手たちの去就とトップチーム昇格への展望
エディン・テルジッチ新監督のもとで、若手有望株の去就にも注目が集まっている。
ローン先で素晴らしいパフォーマンスを見せたペイオ・カナレスは、来季のトップチーム入りがほぼ確実視されている。
一方で、巨大な才能と評価されるマネックス・ロサノについては慎重なアプローチが取られる。ミケル・ゴンサレスSDは『彼は11月まではプレーできないだろう。我々が抱える巨大な才能だ。彼には慎重に接し、重い荷物を背負わせたくない。クラブの長期的なプロジェクトであり、膝をしっかりと完治させてから、ビルバオ・アスレティックでスタートすることになる』と明言した。
また、昇格プレーオフを戦っていたベニャト・ヘレナバレナについても言及し、『ゲレ(ベニャト)のような選手はどんなプロジェクトにもフィットする。クラブへの信じられないほどの愛を持っている模範的な選手だ。エディンは全選手を把握しており、ベニャトが何者であるかについても十分に認識している』と高く評価しており、サン・マメスでプレーする可能性を示唆している。(via ElDesmarque)
イニゴ・レクエの現役引退と会長からの惜しみない賛辞
長年アスレティックを支えたイニゴ・レクエが現役引退を発表した。ジョン・ウリアルテ会長は会見の最後に彼へ特別な賛辞を送っている。
『夢見たような別れではなかった。彼はもっとずっと多くのものにふさわしかった。このシーズンの結果が、イニゴの仕事を曇らせてほしくない。個人的にも信じられないほど素晴らしい人物であり、スポーツ面でも感動的な歴史を持つ選手だ。ロッカールームのリーダーの一人だった』と最大限の敬意を表した。また、バルベルデ前監督の右腕であったジョン・アスピアズへの労いの言葉も忘れなかった。(via Mundo Deportivo)
ウナイ・ロペス復帰の可能性は消滅
ラージョ・バジェカーノとの契約が6月30日で満了を迎える予定だったウナイ・ロペスだが、最終的にラージョとの契約延長を決断した。
彼にはオリンピアコスなど国内外の複数クラブからオファーが届いており、アスレティック・ビルバオも彼の復帰を真剣に検討して状況を調査していた。しかし、アスレティックは最終的な獲得への一歩を踏み出さず、ウナイ・ロペスは感情的なつながりが強いバジェカスへの残留を優先することとなった。(via Estadio Deportivo)
チミー・アビラがニコ・ウィリアムスへの危険なタックルを猛省
レアル・ベティスのチミー・アビラが、オサスナ時代の2022年1月に行われたアスレティック・ビルバオ戦でのニコ・ウィリアムスへのタックルについて言及し、深い後悔の念を語った。
YouTubeチャンネルのインタビューでアビラは『他人の衝動について意見することはできない。なぜなら、私自身も他の選手に対して非常に悪い反応をしてしまったことが何度もあり、今でも後悔しているからだ。それで退場になったこともある。永遠に後悔し続けるであろうタックルは、ニコ・ウィリアムスに対して行ったものだ。あれはオサスナ対アスレティック・ビルバオの試合だった。もしあの時、彼にまともに当たっていたら、私は彼のキャリアを台無しにしていた』と告白。両足での危険なタックルで一歩間違えれば大怪我に繋がっていたプレーを、4年以上が経過した今でも重く受け止めている。(via ElDesmarque)
ルイス・デ・ラ・フエンテ監督のクラブ愛とオヤルサバルの幼少期エピソード
スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督が、W杯に向けたインタビューの中で『私はアスレティックのファンだ』と公言した。また、同監督が少年の頃にアロからビルバオへアスレティックの入団テストに向かった車中での思い出なども語られている。
さらに、現在レアル・ソシエダのエースとして活躍するミケル・オヤルサバルも、過去にはアスレティック・ビルバオの入団テストを受けたことがあるというエピソードも存在する。(via MARCA)
【本日の総括】
バルベルデ前監督の退任とテルジッチ新体制への移行プロセスが詳細に明かされました。新監督は39名に膨れ上がったスカッドの整理という大仕事に直面しています。ニコ・ウィリアムスの負傷に対するクラブの反省や、イニゴ・レクエの引退など、ピッチ内外でアスレティックは大きな転換期を迎えています。