2026年9月24日(木) | 朝夕刊エディション
La Liga Journal & Media Analytics EL CLÁSICO DIARIO エル・クラシコ・ディアリオ | スペイン現地報道・定点観測ジャーナル

ビジャレアルCF vs レバンテ

ラ・リーガ / jornada-7 / Estadio de Villarreal / 2026年9月21日(月)

ビジャレアルCF 3-1 レバンテ

試合サマリーと得点経過

日時・会場・スコア

ラ・リーガ第7節、エスタディオ・デ・ラ・セラミカで開催されたバレンシア州ダービーは、前節マラガ戦での今季初勝利に続いてホーム初勝利を目指すビジャレアルと、敵地で勝ち点奪取を狙うレバンテによる白熱の攻防となった。国際ブレイク前最後の一戦で、ビジャレアルが序盤から主導権を握り、鋭いプレッシングと流暢なパスワークでレバンテを自陣へ押し込んだ。レバンテも粘り強く対応し、一時は圧巻の同点ゴールでゲームを引き戻したものの、最終的には自陣ビルドアップでのミスとビジャレアル攻撃陣の圧倒的な個のひらめきが暗転を生み、ビジャレアルが3-1で快勝を収めて今季本拠地初白星を手にした。

得点経過の詳細

敵陣中央でのボール奪取からショートカウンターが発動。中央でボールを受けたアルベルト・モレイロが相手ライン間へ侵入し、絶妙なワンタッチの壁パスを中央のアイヨゼ・ペレスに通す。パスを受けたアイヨゼ・ペレスは素早くペナルティエリア内に侵入すると、前に飛び出したGKマシュー・ライアンの動きを見極め、繊細なタッチでゴール左隅へ流し込んだ。

ビジャレアルが先制の歓喜に沸いたわずか2分後、レバンテが電光石火の反撃を見せる。右サイドでボールを持った右バックのエルネスト・トルハンが、ペナルティエリア中央へ精度の高いアーリークロスを供給。これに反応したFWイバン・ロメロがアクロバティックなシザース(豪快なバイシクルシュート)を繰り出し、ビジャレアルのGKペテル・グラチの手を弾いてゴールネットを揺らした。

後半開始早々、自陣からのビルドアップを試みたレバンテの隙をビジャレアルが見逃さなかった。相手バックラインのパスミスを前線で奪うと、右サイドから侵入したイリアス・アコマシュが魔法のようなヒールパスでペナルティエリア中央へボールを通す。完全にフリーで待ち構えていたアルベルト・モレイロが右足で的確に流し込み、ビジャレアルが再び勝ち越しに成功した。

終盤、同点を狙ってリスクを冒し前傾姿勢を強めるレバンテに対し、ビジャレアルは集中した守備で耐えつつ前線からのショートカウンターを狙う。86分、レバンテの自陣からのビルドアップでの不用意なパスミスをアルベルト・モレイロが鋭くカット。アルベルト・モレイロはすぐさま最前線へ走り出していた途中出場FWジョルジュ・ミカウタゼへ絶妙なスルーパスを通す。GKマシュー・ライアンと1対1になったジョルジ・ミカウタゼが低い弾道のシュートをゴール左隅へ沈め、ダメ押しの3点目で試合を決定づけた。


戦術・采配のポイント

両チームのフォーメーションと戦術的狙い

ビジャレアルのイニゴ・ペレス監督は、前節マラガ戦で効果を発揮した陣形を踏襲し、4-2-3-1を採用。前節負傷したサンティ・コメサーニャの穴にはパペ・ゲイエとナタン・サリバのダブルボランチを配置した。最大の特徴は、カナリア諸島出身の若き才能アルベルト・モレイロをトップ下(メディアルス/ライン間)に置いた点にある。ウイングのイリアス・アコマシュとタジョン・ブキャナンを幅広く開かせ、両サイドバック(アレックス・フリーマンとセルヒ・カルドナ)が内側に絞るアシンメトリーな動きで相手のマークを混乱させた。前線からのハイプレスでレバンテの自陣ビルドアップに強烈なプレッシャーをかけ、ボール奪取から素早く縦に刺す展開を狙った。

一方、レバンテのルイス・カストロ監督は4-3-3を採用。デラとアイッサ・マンディのセンターバックコンビに、中盤はエンソ・バルデリ、オリオル・レイ、ホン・アンデル・オラサガスティの3枚。前線にはロヘル・ブルギ、イバン・ロメロ、そしてビジャレアルからのレンタル選手であるチアゴ・フェルナンデスを配置した。コンパクトな陣形から奪って素早いロングカウンターを狙う形を整えたが、ビジャレアルのハイプレスに対して自陣深くからの繋ぎに固執しすぎた結果、後方でのボールロストを連発する展開に陥った。

監督の交代策と試合の変化

ビジャレアルのイニゴ・ペレス監督は、2-1で迎えた66分に攻勢を維持するため前線の入れ替えを断行。疲労の見えるイリアス・アコマシュと先制点のアイヨゼ・ペレスを下げ、エースのヘラルド・モレノとジョルジュ・ミカウタゼを投入した。さらに79分にはサンティアゴ・モウリーニョとニコラス・ペペを送り込み、守備の強度とカウンターの鋭さを補強。終盤にレバンテが怒涛の猛攻を仕掛けた際、ジョゼ・モウリーニョがゴールライン際で相手の同点弾を防ぐ決定的なカバーリングを見せ、交代策が的中。そして86分には途中出場のジョルジ・ミカウタゼがミスの突いてダメ押しゴールを決め、見事に逃げ切りを果たした。

レバンテのルイス・カストロ監督も、62分に一挙に3枚替え(ビクトル・ガルシア、ビクトル・ヌドゥクウェ、イサック・ムスアイ投入)を行い、さらにダニ・レケナやペタル・ラトコフを投入してパワープレー気味に前傾姿勢を強めた。終盤にはエルネスト・トルハンのシュートがポストを叩き、ヤニス・ムスアイの決定打がゴール前でブロックされるなど同点にあと一歩まで迫ったが、前がかりになった裏のスペースとビルドアップの雑さを突かれ、万事休すとなった。


現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディア(MARCA, AS, SPORT, Mundo Deportivo,El Desmarque)の報道を集約すると、本試合の圧倒的な最優秀選手として評価が一致しているのが、1ゴール2アシストの活躍を見せたビジャレアルのアルベルト・モレイロである。

現地各紙の採点・評価対比

ビジャレアルの攻撃を爆発させたアルベルト・モレイロに対し、単なる得点者・アシスト供給者にとどまらない「ライン間を完璧に支配したゲームメーカー」として最高評価(10点満点中9点相当)を与えた。また、2点目をヒールパスで演出したイリアス・アコマシュの閃きについても「相手守備陣を無力化するマジック」と手放しで称賛している。一方で、勝ち越し後にチーム全体が失速し、レバンテに何度も決定機を作らせた守備の脆弱性とメンタル面の揺らぎを厳しく指摘した。

「イリアスとアルベルト・モレイロが魔法使いに変身した」と題し、ビジャレアルのインサイドハーフ/トップ下でのアルベルト・モレイロのポジション取りを「レバンテ守備陣にとって最大の頭痛の種」と分析。右ウイングのイリアス・アコマシュの積極的な仕掛けを高く評価した。

ビジャレアルがバレンシア州のローカルダービーで直近10試合無敗(8勝2分)を誇る「地域ダービーの王者」としての勝負強さに着目。アルベルト・モレイロの戦術的柔軟性を絶賛する一方、同点弾を許した直後の守備陣の集中力欠如や、終盤にサンティアゴ・モウリーニョのライン際クリアがなければ同点に追いつかれていた点について、イニゴ・ペレス監督の守備構築における課題として挙げている。

レバンテの健闘を認めつつも、破綻の原因を「自陣からの繋ぎにおける致命的なミス」と一喝。特に2点目と3点目の失点シーンでビジャレアルのハイプレスに捕まったレバンテ守備陣(デラやアイッサ・マンディら)の軽率な判断ミスに厳しい低評価を下した。一方で、衝撃的なバイシクルシュートを決めたイバン・ロメロや、右サイドから果敢なオーバーラップを見せたエルネスト・トルハンにはチーム内最高級の評価を与えている。


試合後の監督・選手コメント

ビジャレアルCF:イニゴ・ペレス監督「マラガ戦での勝利に続き、今日もチームが見せた反撃のリアクションと粘り強さを非常に誇りに思っている。先制した後に少し集中が切れ、相手に同点ゴールを許してしまう場面があったが、今季のプレシーズンから続いていた『小さなミスで自滅する』という悪い流れを断ち切る精神的な強さを示すことができた。イリアス・アコマシュについては、もともと持っている魔法のような技術に加え、数字や実質的な結果を残す姿勢が加わってきたことを嬉しく思う。アルベルト・モレイロもトップ下の位置でエネルギー、ラストパス、そしてゴールという最高のパフォーマンスを見せてくれた。途中出場のジョルジ・ミカウタゼにとっても、FWとして心を落ち着かせる最高の一撃となったはずだ。インターナショナルブレイクに入る前に連勝を収められたことは非常に大きい」

レバンテUD:ルイス・カストロ監督「ビジャレアルのクオリティの高さは重々承知していたが、我々の選手たちにはもっと良いプレーができる力があっただけに悔しさが残る。敗因は守備の構造ではなく、攻撃の組み立てにあった。ボールを簡単に失いすぎたのがすべてだ。自陣で30回ではなく100回もボールを失えば、相手に危険なショートカウンターを許して失点する確率は跳ね上がる。細部の精度を上げなければならない。だが、0-3から反撃した前節のバルセロナ戦同様、今日も最後まであきらめずに決定機を作った姿勢は評価したい。このブレイク期間を利用してしっかりとミスを分析し、修正に取り組んでいく」

殊勲選手:アルベルト・モレイロ(ビジャレアルCF)「ホームのファン前で今季初の勝利を届けることができて、本当に大きな肩の荷が下りた気分だ。新監督のもとで新しい戦術コンセプトに取り組んでいる最中だが、チーム全員がイニゴ・ペレス監督のアイディアを深く信頼している。先制されたり追いつかれたりしても焦らずに走り続けられたことが、今日の勝利につながった。僕自身も1ゴール2アシストという結果でチームに貢献できて嬉しいが、まだまだ上を目指せるチームだと思うので、中断期間明けも貪欲に勝利を狙っていきたい」