2026年9月24日(木) | 朝夕刊エディション
La Liga Journal & Media Analytics EL CLÁSICO DIARIO エル・クラシコ・ディアリオ | スペイン現地報道・定点観測ジャーナル

デポルティーボ・ラ・コルーニャ vs レアル・ベティス

ラ・リーガ / jornada-7 / Estadio de Deportivo / 2026年9月21日(月)

デポルティーボ・ラ・コルーニャ 1-1 レアル・ベティス

試合サマリーと得点経過

2026年9月20日、ラ・リーガ第7節。エスタディオ・ムニシパル・デ・リアソルで行われたデポルティーボ・ラ・コルーニャ対レアル・ベティスの一戦は、1-1の引き分けに終わった。

得点者:

試合は序盤から、アウェイのレアル・ベティスがボールポゼッションを高めて主導権を握る展開となった。開始わずか3分、パブロ・フォルナルスのフリーキックからマーク・ロカがファーサイドで折り返し、マルク・バルトラが華麗なシザースシュートで狙うも、デポルティーボのゴールキーパー、レオ・ロマンが右手一本で防ぐ。ベティスは優位に試合を進めるものの、12分にマルク・バルトラが太もも裏の違和感を訴えてバレンティン・ゴメスとの早期交代を余儀なくされ、デポルティーボ側も34分にマーク・カサドが負傷離脱してディエゴ・ビジャレスが緊急投入されるなど、両チームともにアクシデントに見舞われた。

試合が動いたのは前半終了直前の45分だった。敵陣深くでベティスが連動したハイプレスを仕掛けると、中盤でネルソン・デオッサが相手MFマリオ・ソリアーノから力強くボールを奪取。デオッサがそのまま中央へ絶妙なラストパスを送ると、受けたクチョ・エルナンデスがペナルティエリア手前中央から鋭く右足を振り抜いた。低く抑えられたグラウンダーのミドルシュートはブロックに入った相手DFの股下を抜け、キーパーのレオ・ロマンの手を弾いてゴール右隅へ吸い込まれ、ベティスが先制に成功して前半を折り返した。

後半に入ると、ホームのデポルティーボが意地を見せて反撃に転じる。中盤でマリオ・ソリアーノが巧みにタクトを振り、ベティスを自陣へと押し込んでいった。60分にはマリオ・ソリアーノのスルーパスに抜け出したデビッド・メジャが決定機を迎えたが、ベティスの守護神アルバロ・バジェスが立ちはだかり失点を阻止。ベティスも70分にコーナーキックからナタンが強力なヘディングシュートを放つもクロスバーを叩き、追加点のチャンスを逃した。

デポルティーボのアントニオ・イダルゴ監督はピエール=エメリク・オーバメヤンらを投入して猛攻を仕掛ける。76分にはエメリク・オーバメヤンが至近距離から狙うも、アルバロ・バジェスが超絶的なレスポンスで右手一本でセーブ。しかし、攻め続けられたベティスも耐えきれなくなる。87分、左サイド深くへ進出したジャコモ・クアリャータが精度の高いクロスを供給すると、中央へ遅れて飛び込んできた主将のディエゴ・ビジャレスが頭で力強く叩き込み、土壇場でデポルティーボが1-1の同点に追いついた。アディショナルタイムにはベティスのロドリゴ・リケルメに勝ち越しの決定機が訪れるも決めきれず、タイムアップを迎えた。

戦術・采配のポイント

デポルティーボのアントニオ・イダルゴ監督は、過密日程とチーム内の体調不良の影響を受けつつも、守備ブロックを固めて相手のミスを狙う戦術を選択した。前半はベティスのパスワークに押し込まれ、自陣でのボールロストから失点を喫する苦しい展開となったが、後半に向けた修正が見事だった。前半34分にアクシデントで投入したディエゴ・ビジャレスを中盤の動的に機能させつつ、マリオ・ソリアーノの位置取りを上げて展開力を引き出した。さらに後半半ばにかけてエメリク・オーバメヤン、ルイスミ・クルス、アダマ・トラオレらを次々と投入し、前線の圧力を一段と高めた。左サイドのクアリャータのオーバーラップとビジャレスの2列目からの飛び出しという狙い通りの形から同点ゴールを引き寄せた采配は称賛に値する。

一方、レアル・ベティスのマヌエル・ペジェグリーニ監督は、過密日程の3試合目ながらベストに近い陣容を並べた。前半はネルソン・デオッサの推進力やエズ・アブデのドリブル突破を軸に主導権を握り、ハイプレスからのショートカウンターで先制点を奪う理想的な展開を作った。しかし、前半12分にマルク・バルトラが負傷離脱したことで交代枠を1つ消費させられた影響は小さくなかった。後半、相手にボールを握られる時間帯が増えると、ペジェグリーニ監督はイスコやファクンド・ベルナル、ダニ・セバジョスを投入して中盤のポゼッション回復と試合のコントロールを図った。しかし、連戦による疲労からチーム全体が後重になり、中盤の強度が低下。守護神バジェスの好セーブで辛うじて持ちこたえていたものの、試合終盤に相手の猛攻を受け止めきれず、勝ち点2を落とす結果となった。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディアの評価では、後半に怒涛の反撃を見せたデポルティーボの粘りと、ベティスの守護神による超絶的なパフォーマンスに注目が集まった。

MARCAは、ベティスが先制後に陥った後半の消極的な試合運びを指摘し、「デポルティーボがベティスの保守主義を咎めた」と分析。一方、MundoDeportivoは、前半のベティス優勢と後半のデポルティーボ優勢という「2つの顔を持った白熱した好ゲームであり、引き分けは妥当な結果」と概括した。

個人の採点では、ベティスのゴールキーパーであるアルバロ・バジェスに対し、SPORTで8点、El Desmarqueでも8点という両チーム最高タイの評価が与えられた。エメリク・オーバメヤンやデビッド・メジャの決定機をことごとく阻んだプレーについて、両紙ともに「現在スペインで最も波に乗っているゴールキーパー」「絶体絶命のピンチを何度も救った」と絶賛した。また、ベティスのセンターバックであるナタンも、SPORTとEl Desmarqueの双方向で8点の高評価を獲得。空中戦での圧倒的な強さと数々のクリア、さらにはクロスバーを叩いたヘディングシュートなど、攻守にわたる存在感が評価された。

先制点をアシストしたネルソン・デオッサについても、SPORT(7点)とEl Desmarque(7点)の双方から高い評価が与えられ、ハイプレスからの奪球と推進力が称賛された。一方で、先制ゴールを挙げたクチョ・エルナンデスに対しては、SPORT・El Desmarqueともに5点と控えめな採点となった。ゴールの美しさは評価されたものの、試合を通じてのパスミスや判断の遅さが課題として挙げられている。

ベティスのサイドバックであるフラン・ガルシアについては評価が分かれた。SPORTが6点を与えてアブデとの連携や攻撃参加を一定評価したのに対し、El Desmarqueは4点と厳しく採点。「攻撃意識の高さゆえに守備時のポジショニングを失い、デポルティーボにスペースを与えてしまった」と守備面の隙を指摘した。

デポルティーボ側では、途中出場から貴重な同点頭弾を叩き込んだディエゴ・ビジャレスがSPORTで7点を獲得し、El Desmarqueでもチームを救ったヒーローとして大きく取り上げられた。また、後半にチームの攻撃を牽引したマリオ・ソリアーノもSPORTで7点と高く評価され、前半の失点絡みのミスを取り返す見事なゲームメイクだったと分析されている。

試合後の監督・選手コメント

試合後の会見で、レアル・ベティスのマヌエル・ペジェグリーニ監督は、勝点3を逃した悔しさを滲ませつつも冷静に試合を振り返った。「前後半で完全に異なる顔を持つ試合となった。前半は完全に我々のペースであり、自分たちの望むサッカーができていた。しかし後半はボールコントロールを失い、相手に主導権を握られてしまった。1週間で3試合目という過密日程の中で、選手たちが身体的な疲労を感じたのかもしれない。アウェイでの引き分け自体は悪くない結果だが、終盤の失点はやはり悔しさが残る。しかし、90分間の全体像を見れば同点は妥当な結果だと言えるだろう」

また、前半12分に負傷交代したマルク・バルトラについてペジェグリーニ監督は、「太もも裏に違和感(収縮)を感じたようだ。肉離れのような重重度の高いものではなく、単なる筋緊張であることを願っている。代表ウィークによる3週間の公式戦中断期間があるため、その間にしっかり回復してほしい」と語った。さらに、クチョ・エルナンデスが相手選手と接触してVARチェックを受けた場面については、「彼はボールに向かってプレーしており、足が接触したのは不可抗力だ。一発退場に該当するプレーではなかった」と主審の判断を支持した。

ベティスの選手陣からは、勝ち越し点を奪えなかった悔しさと中断明けへの視線が語られた。ベティスの選手(バレンティン・ゴメスやクチョ・エルナンデスら)は、「敵地リアソルという非常に難しいスタジアムで勝ち点3を手にできなかったことには悔しさが残る。しかし、過密日程の中で勝ち点1を持ち帰れたことは前向きに捉えたい。この後の長い中断期間を利用して怪我人を回復させ、チーム全員が100%の状態で中断明けの戦いに備えたい」と手応えと課題を口にした。

一方、デポルティーボのアントニオ・イダルゴ監督は、強い相手に対して最後まで諦めずに反撃を実らせた選手たちのファイト精神を称賛。強い圧力を受けた前半からハーフタイムを経て見事に修正し、ホームのファンの声援を受けてもぎ取った同点劇について、チームの成長と今後のリーグ戦に向けた大きな自信になる勝ち点1だと強調した。