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アトレティコ・マドリード vs レアル・マドリード

ラ・リーガ / jornada-7 / Estadio de Atlético / 2026年9月20日(日)

アトレティコ・マドリード 2-1 レアル・マドリード

試合サマリーと得点経過

アレハンドロ・グリマルド(53分・PK)、ジョナサン・デイヴィッド(59分)

首位FCバルセロナを追う上で双方にとって絶対に負けられない大一番となったマドリード・ダービーは、宿敵同士のプライドが激しくぶつかり合う凄絶な死闘となった。前半からピッチのあちこちで激しい肉弾戦が繰り広げられ、判定を巡って両ベンチや選手がヒートアップ。ハーフタイムにはトンネル内で小競り合いが勃発し、両チームのスタッフが退場処分を受けるほど異様な緊張感に包まれた。

均衡が破れたのは後半立ち上がりの50分だった。アトレティコ・マドリードのダヴィド・ハンコが自陣深くから前線のスペースへ絶妙なロングフィードを送ると、右サイドから斜めに抜け出したジュリアーノ・シメオネが爆発的な加速でペナルティエリア内に侵入。追走したレアル・マドリードのディーン・ハイセンがたまらずシャツを引っ張って倒すと、主審は迷わずPKを指示し、決定的な得点機会の阻止としてディーン・ハイセンに一発レッドカードを提示した。

この千載一遇のチャンスで、キッカーのアレハンドロ・グリマルドが冷静に相手ゴールキーパーのティボ・クルトゥワの逆を突き、ゴール左下へ力強く流し込んで先制点を奪った。

勢いに乗るアトレティコ・マドリードは続く59分、鮮やかな連動から追加点を挙げる。中盤での奪球からイ・ガンインを経由して右サイド深weくへ展開すると、果敢に攻め上がったジュリアーノ・シメオネが低い弾道のグラウンダーライン際クロスを供給。ペナルティエリア中央へ走り込んだジョナサン・デイヴィッドが右足ダイレクトで合わせ、クルトゥワの手を弾いてゴールネットを揺らした。

10人での戦いを強いられ2点差を追うレアル・マドリードも終盤に反撃へ転じる。90分、右サイドで獲得したフリーキックから、交代出場のベルナルド・シウバが鋭いカーブをかけた精度抜群のクロスを供給。前線へ上がっていたアントニオ・リュディガーが相手ディフェンダーの上から打点の高いヘディングシュートを叩き込み、1点差に詰め寄った。しかし、アトレティコ・マドリードが最後まで集中した守備で凌ぎ切り、ホームで貴重な勝利を収めた。

戦術・采配のポイント

両チームの狙いとフォーメーションは対照的だった。アトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督は、ヤン・オブラクを最後尾に、マルク・プビル、クティ・ロメロ、ダヴィド・ハンコの3バックと、両ウイングバックにマルコス・ジョレンテとアレハンドロ・グリマルドを配置する可変型の3-5-2を採用。レアル・マドリードの最大の武器であるキリアン・ムバッペやヴィニシウス・ジュニオールのスピードを警戒し、右サイドに重厚な守備ブロックを形成してスペースを消す作戦をとった。

対するレアル・マドリードのホセ・モウリーニョ監督は伝統の4-2-3-1で臨み、フェデ・バルベルデとオーレリアン・チュアメニのダブルボランチの上にアルダ・ギュレル、ジュード・ベリンガム、ヴィニシウス・ジュニオールを並べた。しかし、アトレティコの球際の激しさと組織的な挟み込みに遭い、前線への供給網を遮断される苦しい展開となった。

この試合の勝敗を分けたのは、指揮官のハーフタイムの判断とアクシデントへの対応力だった。シメオネ監督は前半にイエローカードを受けて後手に回っていた右バックのマルク・プビルをハーフタイムで下げ、ベテランのコケを投入。マルコス・ジョレンテの位置を調整しつつ中盤のパス回しにテンポと落ち着きをもたらした。この修正が後半立ち上がりの畳みかける攻撃へと繋がった。

一方のモウリーニョ監督は、50分のハイセン退場とPK献上という窮地に対し、即座にアルダ・ギュレルと不発だったヴィニシウス・ジュニオールを下げ、センターバックのアントニオ・リュディガーと鋭いドリブラーのヤン・ディオマンデを投入して4-4-1へと再構築した。さらに82分にはジュード・ベリンガムに代えてベルナルド・シウバを投入。ベルナルド・シウバのキック精度が90分のアントニオ・リュディガーの追撃弾を生み出したものの、数的大勢の不利を完全に挽回するには至らなかった。

現地メディアの選手採点・評価比較

スペイン現地メディア各紙(MARCA, AS, SPORT, Mundo Deportivo,El Desmarque)の採点を集約すると、この試合で最も高い評価を獲得したのはアトレティコ・マドリードのジュリアーノ・シメオネだった。

El Desmarqueで「9点/10点満点」、MundoDeportivoで「極上(Superlativo)」と称賛されたジュリアーノ・シメオネは、PKと相手のレッドカードを引き出す泥臭い背後への抜け出しを見せただけでなく、2点目の見事なアシスト、さらには守備への精力的な戻りまで完璧にこなし、満場一致でダービーの主役に選ばれた。また、先制PKを決めたアレハンドロ・グリマルド(El Desmarqueで8点)、先制の起点となる絶妙なロングパスを送ったダヴィド・ハンコ(8点)、3試合連続ゴールを記録したジョナサン・デイヴィッド(9点)も高い評価を受けた。

レアル・マドリード側で唯一高い評価を得たのは、数々の決定機を防いで壊滅的な大敗を食い止めたゴールキーパーのティボ・クルトゥワ(El Desmarqueで7点)だった。対照的に、痛恨のファウルでPKを与えて退場となったディーン・ハイセンは、各紙から「落第(Suspenso)」の最低評価を下された。

メディアごとの見解の違いも興味深い対比を見せている。SPORTとMARCAの間では、レアル・マドリードの攻撃陣に対するアプローチに違いが見られた。SPORTは「ヴィニシウス・ジュニオールの不調とチーム全体の機能不全」を厳しく突き放し、首位バルセロナとの勝ち点差が6に開いた現実を批判的に報じた。それに対してMARCAは、ヴィニシウス・ジュニオールを早々に下げてヤン・ディオマンデを投入したジョゼ・モウリーニョの決断を正当化し、「ヤン・ディオマンデが入って初めて左サイドから相手に脅威を与えることができた」と交代選手の姿勢を好意的に評価した。

また、ASとMundo Deportivoの対比では、MundoDeportivoが「シメオネ親子の情熱とDNAが勝利を引き寄せた」とピッチ上のドラマを強調したのに対し、ASは主審ミゲル・アンヘル・オルティス・アリアスの判定基準や判定を巡る荒れ模様に着目し、「審判のコントロール喪失が試審の行方を大きく左右した」と審判問題に重点を置いた解説を展開した。

試合後の監督・選手コメント

ホセ・モウリーニョ監督(レアル・マドリード):記者会見場に物議を醸したシーンの写真をプリントした紙を持参して登壇したモウリーニョ監督は、開口一番から審判団への怒りを爆発させた。「今日の試合の全てはこの1枚の写真に凝縮されている。前半のクティ・ロメロとイ・ガンインのファウルは、どちらも明確なレッドカードだった。11人対9人で50分間戦えていれば、試合がどうなっていたかは容易に想像がつくだろう。41歳で国際経験もない貧しい主審に、ダービーの圧倒的な重圧は耐えられなかった。一方でVAR担当のトルヒージョ・スアレスは、過去にもレアル・マドリードに対して怪しい履歴を積み重ねてきた人物だ。彼らを指名した審判委員会には心からお祝いを申し上げたい。ネグレイラはもういないんだよね?それならなぜこんなことが起きるのか」

ディエゴ・シメオネ監督(アトレティコ・マドリード):激闘を制したシメオネ監督は、チームの戦術的実行力と勝利への執念を誇り高く語った。「両チームが互いを細部まで研究し尽くしたゲームだった。前半は我々がしっかりとゲームをコントロールし、後半立ち上がりにジュリアーノが見せた圧巻のプレーが均衡を破った。1-0で満足して引くつもりはなかったので、畳みかけて2点目を奪いに行ったチームの姿勢を誇りに思う。ジョゼ・モウリーニョの審判批判について?審判委員会の見解通り、クティのプレーは赤ではない。相手の監督がジョゼ・モウリーニョだからといって『何でもあり』が通るわけではないんだ。ネグレイラが存在しないのなら、今日の我々の勝利も何ひとつ汚されていないということだ」

ヤン・オブラク(アトレティコ・マドリード/キャプテン・GK):「クリーンシートで終えられなかったことは個人的に悔いが残るが、何よりもダービーで勝ち点3を獲得できたことが嬉しい。前半は耐える時間帯もあったが、後半にチーム全員で修正して自分たちのフットボールを体現できた。ディーン・ハイセンの退場場面については、ルールを客観的に見れば妥当な判定だったと感じている」


今回の勝利でアトレティコ・マドリードは勝ち点を積み上げて2位へ浮上した一方、敗れたレアル・マドリードは首位バルセロナとの勝ち点差が「6」に拡大。新体制下のレアル・マドリードにとっては、代表中断期間を前に大きな課題と波紋を残すダービーとなった。