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アスレティック・ビルバオ vs デポルティーボ・アラベス

ラ・リーガ / jornada-7 / Estadio de Athletic / 2026年9月19日(土)

アスレティック・ビルバオ 0-0 デポルティーボ・アラベス

試合サマリーと得点経過

ラ・リーガ第7節、代表ウィーク直前の週末を迎えたサン・マメスにて、アスレティック・ビルバオとデポルティーボ・アラベスによるバスク・ダービーが開催された。熱気に包まれたスタジアムで繰り広げられた激闘は、両者譲らず0-0のスコレスドローで終了した。

試合は立ち上がりからホームのアスレティック・ビルバオがボールを保持し、主導権を握る展開となった。しかし、デポルティーボ・アラベスはコンパクトな守備ブロックを形成して中央のスペースを消し、隙を与えない。ビルバオはミケル・ハウレギサルやロベルト・ナバロ、ヨハン・ヨハネコ、ユーリ・ベルチチェらが遠目から果敢にミドルシュートを放って打開を図るが、いずれも決定打には至らない。15分にはイニャキ・ウィリアムズがクロスに合わせてヘディングシュートを放つも、ボールはクロスバーを越えた。

後半に入ると、アスレティック・ビルバオのエディン・テルジッチ監督が動く。ハーフタイムにヘスス・アレソを投入して右サイドの推進力を高めると、さらにアレックス・ベレンゲールとマロアン・サナディを送り込み、一気に攻撃のギアを上げた。64分、ロベルト・ナバロの崩しから得たコーナーキックの場面で、ユーリ・ベルチチェがこぼれ球に反応し強力な左足シュートを放つが、アラベスの守護神アントニオ・シベラが立ちはだかり決定的な場面を阻止した。

最大の見せ場は70分に訪れる。ペナルティエリア内に侵入したニコ・ウィリアムズが、アラベスのナウエル・テナグリアに倒されてペナルティキックを獲得。サン・マメス全体が歓喜に沸き立つ中、キッカーを務めたのはオイハン・サンセト。しかし、渾身の力で放たれたシュートはコースを完全に読み切ったアントニオ・シベラの驚異的なダイビングセーブに阻まれ、千載一遇の先制機を逃した。

試合終盤の89分には途中出場のニコ・セラーノがシュートを放つも相手に当たって枠を外れる。アディショナルタイムにはアラベスがカウンターからアンヘル・ペレスの突破でトニ・マルティネスへ決定的なラストパスを通そうとしたが、猛烈なバックプレスを見せたアレックス・ベレンゲールが間一髪でカット。集中力を切らさなかったアラベスが耐え抜き、最後までネットが揺れることはないまま勝ち点1を分け合う結末となった。

戦術・采配のポイント

アスレティック・ビルバオのエディン・テルジッチ監督は4-3-3の布陣を採用し、中盤でイニゴ・ルイス・デ・ガラレタとミケル・ハウレギサルがゲームをコントロールしながら、両ウイングのニコ・ウィリアムズとロベルト・ナバロの個の突破力を活かしたサイド攻撃を狙った。しかし前半は、アラベスの強固な守備陣形を前にバイタルエリアでの崩しの精度とテンポを欠き、中央を閉ざされたことで遠目からのシュートに頼る課題を残した。また、最前線のイニャキ・ウィリアムズが相手センターバック陣に封じ込められたことも痛手となった。

対するデポルティーボ・アラベスのキケ・サンチェス・フローレス監督は、1-5-3-2の変形5バックにも対応可能な緻密な守備ブロックを構築。右サイドバックのナウエル・テナグリアがアスレティックの最大の脅威であるニコ・ウィリアムズに対して執拗なマンマーク気味の対応を行い、自由にクロスを上げさせない戦術を貫いた。

采配面では、テルジッチ監督の交替策が後半の怒涛の押し込みを生み出した。後半開始と同時に投入されたヘスス・アレソが右サイドで深みを作り、さらにアレックス・ベレンゲールが前線にフレッシュな動きをもたらしたことで、55分から65分にかけてアスレティックが怒涛の猛攻を仕掛ける時間帯を作出した。ベレンゲールは攻撃面だけでなく、アディショナルタイムに自陣深くまで戻って相手の決定的なカウンターを阻止するなど、完璧なハードワークを見せた。

一方、キケ・サンチェス・フローレス監督もトニ・マルティネスやアンヘル・ペレスらを投入して前線の運動量を維持。耐え忍びながらも前傾姿勢になったアスレティックの背後を狙うカウンターの脅威を最後まで維持し、チーム全体の意思統一を徹底させた。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地各紙の報道において、満場一致でこのダービーの最優秀選手(MVP)として称えられたのは、数々の決定機を防ぎペナルティキックまでストップしたアラベスのGKアントニオ・シベラだった。

MARCAは、アントニオ・シベラに単独最高評価を与え、「サン・マメスを絶望に突き落とした要塞」と絶賛。ペナルティキックの場面での集中力と、ユーリ・ベルチチェの至近距離からのシュートを防いだ反射神経を高く評価した。

El Desmarqueは10点満点評価の中で、アスレティック側ではペナルティキックを奪い取ったニコ・ウィリアムズと果敢な攻撃参加を見せたユーリ・ベルチチェにチーム最高点となる「7点」を付けた。一方で、ペナルティキックを外したオイハン・サンセトには「4点」、存在感を示せなかったイニャキ・ウィリアムズには厳しい「3点」を付与している。

MundoDeportivoの1x1採点では、アスレティックのセンターバックとして完璧な対人守備を見せたアイメリク・ラポルテをチーム最高の「ElMEJOR(最高選手)」に選出し、ユーリ・ベルチチェの闘志あふれるプレーにも「Bravo(勇敢)」と賛辞を送った。しかし、攻撃陣に対しては厳しい視線を向け、ニコ・ウィリアムズにはナウエル・テナグリアに抑え込まれていたとして「Previsible(予測可能)」、オイハン・サンセトには「Intrascendente(不発)」、イニャキ・ウィリアムズには「Controlado(抑え込まれた)」と酷評した。

メディア間の見解の対比として顕著だったのはニコ・ウィリアムズへの評価である。El Desmarqueが果敢なドリブルでペナルティキックを誘発した局面打開力を評価して最高タイの「7点」を与えたのに対し、MundoDeportivoはナウエル・テナグリアとの一対一でコースを読まれていた部分を重く見て「予測可能」と慎重な評価にとどめた。また、チームトップの評価を巡っても、El Desmarqueが攻撃の姿勢を評価してユーリ・ベルチチェ(7点)を推したのに対し、MundoDeportivoは安定した守備組織を支えたアイメリク・ラポルテを最高評価とするなど、攻撃への寄与度と守備の安定感のどちらを重視するかでメディアごとの視点に違いが見られた。なお、決定機を逃したオイハン・サンセトに対しては、両メディアとも揃って低評価を下す一致を見せた。

試合後の監督・選手コメント

デポルティーボ・アラベスのキケ・サンチェス・フローレス監督は、敵地サン・マメスで勝ち点1を獲得したチームの粘り強さを高く評価した。監督は会見で「サン・マメスでプレーすることは常に困難を極めるが、同時に最高の刺激でもある。前節の修正を踏まえ、細部にまで配慮してチーム全員でハードワークを全うできた。勝ち点3を目指していたが、このピッチで耐え抜いて手にした勝ち点1には非常に大きな価値がある」と語り、組織的な守備を完遂した選手たちを労った。また、ペナルティキックを止めたアントニオ・シベラのビッグプレーや、クラブ通算100試合出場を達成したアブデ・レバシュらの貢献に対しても深い満足感を示した。

一方、アスレティック・ビルバオのエディン・テルジッチ監督は、主導権を握りながらも勝ち点2を落とした悔しさを隠さなかった。「相手が中央を閉ざして守備に専念することは想定していた。後半は選手交代を含めて攻勢を強め、ペナルティキックという最大のチャンスを得たが、それを活かせなかったことがすべてだ」と悔恨の念を口にした。しかし同時に、「前半のポゼッションにはスピードが足りなかったが、後半に見せた攻撃の圧力とテンポアップは評価できる。代表ウィーク前の最後の試合で勝ち点3を届けられなかったのは残念だが、この中断期間を利用して攻撃の精度と決定力をさらに磨き上げていく」と前を向いた。

両チームともに無得点に終わったものの、ダービー特有の緊張感と熱量が凝縮された一戦となり、双方にとって中断期間に向けた明確な課題と手応えが残る90分となった。